ボルダリングのサーキットトレーニングについて、メリットと効果的な方法を紹介します。
サーキットトレーニングは、ボルダリングのトレーニングの中でも、最も効果的な方法の1つです。
- グレードを上げたい
- トレーニング方法を知りたい
- 長時間登れる体を作りたい
- 色々なムーブをマスターしたい
こんな方には、ぜひ実践してほしいトレーニングです。
ボルダリングのサーキットトレーニングとは?
ボルダリングのサーキットトレーニングは、すでに登れたことのある課題をほとんど休みなく登っていくトレーニング法です。
自分の最高グレードから1つか2つ落とした課題を登っていきます。
例)
最高グレード2級→3級か4級でサーキット
最高グレード4級→5級か6級でサーキット
1つ落としたグレードの課題があまり登れていない場合は、2つ落としたグレードの課題を登ります。
できれば8割以上登れているグレード推奨。
方法は簡単!以下を繰り返します。
課題を登り終わったらなるべく休まずに次の課題に取りかかります。
しんどいですが、休むが長くなると効果が低くなるので、なるべく休まずに繰り返します。
※もちろん順番待ちをしている人がいたら、その人が登るのを優先してください。
できる限りジムが空いている時にやると追い込むことができるので効果が上がります。
この時にただ登るだけではなく、ムーブを意識して登るといいでしょう。
30秒間のレスト中に、次の課題のムーブを考えます。
一度登れたことのある課題ですが、疲れている状態だと、落ちてしまうことがあります。
登れた時のことを思い出して、その時よりもさらにラクに登れるようなムーブを考えます。
疲れている状態での完登を目指すため、いかにラクに登るかが重要になってきます。
これを繰り返すことで、保持力、持久力、ムーブの質の向上が期待できます。
ボルダリングサーキットトレーニングのメリット
ボルダリングでサーキットトレーニングをすると、このような効果が期待できます。
- 保持力アップ
- 持久力アップ
- ムーブの質アップ
- メンタル向上
非常に効果が高い方法なので、グレードを上げたいとか、色々なムーブをマスターしたい方におすすめです。
それでは、ボルダリングでサーキットトレーニングをするメリットについて詳しく解説をしていきます。
疲れている状態で登って保持力アップ
サーキットトレーニングは、最高グレードを登るのに疲れてきてから行うため、課題の完登を目指すための保持力のアップにつながります。
パンプしている状態でもギリギリの力で登り切ることを目指すため、最大筋力がアップしていきます。
課題を登っている途中で限界が来ても、最後の一手を出すという気持ちでやりましょう。
グレードアップには、この最後の一手を出すことが大事です。
筋力、メンタルともに成長が期待できます。
連続して課題にトライして持久力アップ
サーキットトレーニングでは、連続して課題にトレイしていくので、持久力がアップします。
筋持久力だけではなく、肺機能の強化にもつながります。
疲れている状態で連続して課題にトライするので、息が上がりやすく、さらに荒れた呼吸を整える時間も十分ではありません。
ですから、課題にトライ中の呼吸方法や、インターバル中にいかに呼吸を整えるかが重要となってきます。
サーキットトレーニングをしっかりやっていると、普段課題にトライしている時の呼吸も上手くなったり、連続して課題にチャレンジするコンペにも強くなります。
初級者や中級者は意識している方が少ないかもしれませんが、ボルダリングは意外と呼吸が大事なのです。
ぜひ、呼吸にも意識しながらトレーニングをしてください。
繰り返すことでムーブの熟練度アップ
サーキットトレーニングでは、すでに落としてる課題を復習することで、その技術(ムーブ)をさらに高めることができます。
課題ごとに必要とされるムーブをスムーズに行えるように磨きをかけて、ムーブの引き出しを増やしていきましょう。
ムーブの引き出しが増えると、初めての課題を登る時に役立ちます。
登っている時に、オブザベをしていたムーブが上手くはまらなかった時に、別のムーブがすぐに出てきます。
熟練度を上げておくと、考えずにムーブがどんどん出てきますので、オンサイト力もかなりあがります。
なんとしてでも登りきる気持ちでメンタル向上
サーキットトレーニングでは、疲れていても課題を登りきることを目標とします。
すでに登れたことのある課題を登っていくのですから、登れて当たり前のはず。
登れたことのある課題だから登れるはずというプレッシャーと、必ず登りきるという根性論によりメンタルが鍛えられます。
ボルダリングはメンタルスポーツと言われるくらいですから、メンタル強化ができるサーキットトレーニングはメリットがあります。
結局のところ、グレードを上げていくためにはトレーニングをやり遂げるというメンタルが必要です。
疲れていても、諦めずに登れるまで挑戦し続けましょう。
ボルダリングサーキットトレーニングのデメリット
ボルダリングのサーキットトレーニングにはメリットが多いですが、逆にデメリットもあります。
- 体力的にもメンタル的にもかなりしんどい
- やりすぎると怪我をするのリスクあり
- 混んでいる時には効果が落ちる
体力的にもメンタル的にもかなりしんどい
サーキットトレーニングは、ただ課題を楽しく登るのとは違い、体力的にもメンタル的にもかなり消耗します。
これをこなしていくには、いわゆる体育会系の部活並みの体力とメンタルが必要です。
ストイックになれない人には向きません。
一人でやるとしんどい場合は、仲間と一緒にやったり、少しゆるくしたりしてやるといいでしょう。
追い込みすぎてボルダリングが楽しくなくなったとなると元も子もないので、自分の目指すところによって調整しながらやることをおすすめします。
やりすぎると怪我をするのリスクあり
サーキットトレーニングは、疲れている状態でもどんどん課題に挑戦していくため、思わぬ怪我をしてしまうことがあります。
時にはギリギリの一手を出さなければならないこともあるでしょう。
疲れている時は、上手くホールドを掴みにいくことができない場合もありますので、指や肩に負担がかかりケガをしてしまう恐れがあります。
いきなりハードな条件でサーキットトレーニングをするのではなく、まずは軽い条件でやっていき、徐々に強度をを上げていくといいでしょう。
混んでいる時には効果が落ちる
サーキットトレーニングは、連続して課題を登ることで効果を発揮するため、ジムが混んでいる場合にはできません。
※登る順番を待っている人を押しのけて自己中心的にトレーニングをすることはNGですよね
空いている時間帯を選んでやるようにしましょう。
ボルダリングサーキットトレーニングの効果的な方法【例】
ボルダリングのサーキットトレーニングを効果的にする方法をレベル別で紹介します。
初級者~中級者(5級~3級の人向け)
ジムにある全課題登れているグレードで行う。
※最高グレードより2グレード下くらいがベスト。
1回で登れなくてもできるまでやる。
課題を登る→30秒休憩→課題を登る→30秒休憩
のサイクルが基本ですが、このサイクルで登れない課題が出てきた場合は、少し長めのレストを挟んでもいいので登りきる。
以下のようなペースでもオッケー。
課題を登る(失敗)→30秒休憩→課題を登る(失敗)→5分休憩→課題を登る(完登)
大事なのは、完登すること。しかし、長めのレストを挟んでも登ることができなければ次の課題へ進む。
※何度も長めのレストを挟むとサーキットトレーニングの効果が下がってしまうため
登れなかった課題は覚えておいて、後日サーキットトレーニングをする際には登れるようにしましょう。
このペースで、同グレードの全課題に挑戦します。
一周回った後に、登れなかった課題に再挑戦するのもおすすめです。
中級車~上級者(3級~1級の人向け)
ジムにある全課題登れているグレードで行う。※最高グレードより1グレード下くらいがベスト。
1回で登れなくてもできるまでやる。
課題を登る→30秒休憩→課題を登る→30秒休憩のサイクルが基本ですが、このサイクルで登れない課題が出てきた場合は、少し長めのレストを挟んでもいいので登りきる。
以下のようなペースでもオッケイ。
課題を登る(失敗)→30秒休憩→課題を登る(失敗)→5分休憩→課題を登る(完登)
全ての課題を回り終えたら、少しレストを挟み、次はさらに1つ下のグレードのサーキットトレーニングを開始する。
【例】
- 3級サーキット→4級サーキット
- 4級サーキット→5級サーキット
この時には、何としてでも一撃で落とせるようにする。
また、さらに強度を上げる場合は、この逆パターンで行う。
【例】
- 4級サーキット→3級サーキット
- 5級サーキット→4級サーキット
さらに疲れた状態でのサーキットトレーニングとなるため効果が高くなる。パンプした状態で1つ下のグレードを全完登することが目標。
できるまで何日も挑戦を続けることで、保持力・持久力のアップを目指す。
自分のレベルやジムの状況に合わせて自分でメニューを組む
サーキットトレーニングは、自分のレベルや通っているジムの状況に合わせて、最適なメニューを組むことをおすすめします。
- 傾斜が苦手なら、傾斜の課題を5級から3級まで全て登る。
- 垂壁や薄かぶりが苦手なら、垂壁や薄かぶりの課題のみ全て登る。
- ピンチが苦手なら、ピンチを使う課題のみを全て登る。
など、自分の弱点を鍛えるためにメニューを組むこともできる。
サーキットトレーニングの例を挙げましたが、自分に適したメニューを考えてやり遂げる方が達成感もありモチベーションも続きます。
また、自分で設定したのだからなんとしてでも達成するというメンタル的な効果も期待できます。
自分に合わせたメニューを考えて質の高いトレーニングをしていきましょう。
ボルダリングのサーキットトレーニングは周りを巻き込んでやるといい
サーキットトレーニングを黙々と一人でやっていると、正直メンタルが持ちません。
もちろん、選手を目指している人ならストイックにやり続けることができると思いますが、多くの人は趣味クライマーです。
あくまでも趣味の範囲内で強くなれれば満足なはず。(僕もそうです。)
そうなると、なるべく楽しくトレーニングができた方がいいに決まっています。
なので、ジムにいる仲間を巻き込んでサーキットトレーニングをしてみましょう。
多少は仲間と競う形でのトレーニングとなりますので、一人でやるよりもパワーが出るかもしれません。
また、順番待ちが出てくるので、レスト時間も長くなり、完登率も上がります。
多少、保持力・持久力強化という意味での効果は落ちてしまうかもしれませんが、メンタル的に安定した状態をキープできるので、メリットは大きいです。
趣味クライマーは楽しく強くなる方法でトレーニングをする。
これが鉄則だと思います。
ボルダリングはサーキットトレーニングで強くなれる
ボルダリングで強くなりたいならサーキットトレーニングが必要です。
あの有名なアダム・オンドラもサーキットトレーニングをしているだとか…
サーキットトレーニングは、肉体的にもメンタル的にもしんどいですが、頑張ってやっていると以下のようなメリットがあります。
- 保持力アップ
- 持久力アップ
- ムーブの質アップ
- メンタル向上
グレードアップを目指したい人
登る課題がなくなってきてジムで課題難民になっている人
こんな人はサーキットトレーニングでもうワンランク上の世界へいきましょう。