ボルダリングを続けていくと、自然の岩でも登ってみたいとなる人は多いのではないでしょうか。
外岩は、ジムで登るよりも開放的で、登れた時の達成感も半端ないです。
しかし、近年多くのクライマーが外岩を楽しむようになってきて、ルールを知らない(守らない)人も増えてきています。
ルールを知らないまま外岩に行くと、トラブルが起きたり、最悪の場合は岩場が閉鎖(登攀禁止)になる可能性もあります。
これから長く外岩を楽しむためにも、初めて行く前にルールとマナーを確認しておくようにしましょう。
また、初めての方を外岩に連れて行く時には、このページを教えておいて、ルールやマナーを知ってもらっておくようにしましょう。
外岩のルールとマナーを知ろう
ボルダリングジムで登る時と同じように、外岩で登る時にもルールーやマナーがあります。
そして、慣れ親しんだジムでのボルダリングとは違い、外岩にはより細かなルールやマナーがあります。
外岩は、クライマーだけではなく、ハイカーや釣り人など自然を楽しむ人達が共有する場でもありますので、ルールやマナーを守っていく必要があります。
ここでは、「岩場に行くまで」「岩場に着いてから」「岩場から帰る時」の3つに分けてルールやマナーを説明しています。
外岩に行く前に目を通して頭に入れておくことをおすすめします。
※クリック(タップ)すると、各項目にジャンプできます。
それでは、1つ1つ詳しく書いていきます。
岩場に行くまで
外岩に行く前日までに調べておきたいことと、外岩当日、岩場に到着するまでに知っておきたいことをまとめています。
①岩場のローカルルールを調べておく
岩場には、それぞれローカルルールがありますので、行く前に調べておく必要があります。
主に以下のことを調べておいた方がいいでしょう。
- 駐車場
- 入山料などの有無
- トイレの場所
- 野営(キャンプ)の可不可
- ナイトクライミングの可不可
調べる方法は、ネットで検索するか、各エリアのトポを見ることです。
ボルダリングエリアのトポは、持っておくと便利なので買うことをおすすめします。
トポは、エリアごとにも販売されています。
goodboulderingさんは、多くのトポを取り扱っているので、行く予定の岩場のトポがあるかチェックしてみてください。
ローカルルールを知らずに違反を続けると、岩場の閉鎖(登攀禁止)になりかねません。
初めていく岩場の場合は、必ずネット、トポ、詳しい人に聞くなどして情報を仕入れておきましょう。
②無断駐車(迷惑駐車)をしない
岩場は、自然が多い場所にあるため、十分な台数を停めれる駐車場がない場合があります。
同じ日に、多くの人が集まってしまうと、駐車場の争奪戦となり、停める場所がなくなってしまう場合もあります。
停める場所がなくなってしまったら、引き返すわけにもいかないので、その辺に無断駐車を(迷惑駐車)をしている車を見かけることがあります。
また、駐車場がわからず、その辺に停めてしまっている車も見かけます。
駐車場がどこにあるか、何台くらい停めれるかは、できるかぎり調べてから行くようにしましょう。
停めるところがなくて、仕方なく路駐をする場合は、きちんと場所を考えてから停めるようにしてください。
③車は乗り合わせて行く
岩場には、十分な台数を停めれる駐車場がない場合があります。
ジムの仲間やグループで行く場合は、なるべく乗り合わせて行くようにしましょう。
- 多くの人が岩場を楽しめるように
- 路駐や無断駐車など地域の人に迷惑をかけないように
全員が現地集合で行ってしまうと、かなり高い確率で駐車場から車が溢れてしまいます。
岩場から近いコインパーキングなどに集合して、乗り合わせて現地へ行く台数を減らすのもいいでしょう。
④地域のお店を積極的に利用する
外岩でボルダリングをするには、地域住民の理解がないといけません。
少しでも、その地域に貢献できるように買い物は岩場の近くのお店を利用しましょう。
ボルダリングをしに来る人達のおかげで、地域が活性化したと言われるようになったら嬉しいですよね。
岩場に着いてから
当日岩場に着いてからもルールやマナーがあります。
岩場でルールやマナーを守らないと、直接怪我につながりますので、知っておいてください。
⑤挨拶をする
岩場の周辺には、地域住民の人が住んでいます。
岩場の近くを散歩などで通る人もいるかもしれません。
そんな時には、必ず挨拶をして気持ちよく遊ばせてもらえるようにしましょう。
もちろん、岩場のは他のクライマーがいるかもしれませんので、会った時には「おはようございます」や、帰る時には「お疲れさまでした」「今日はありがとうございました」など挨拶をしましょう。
また、岩場の近くにいる、ハイカー(ハイキングをしてる人)や、釣り人にも挨拶をしましょう。
⑥マットを借りる時には声をかける
岩場に敷いてある他の人のマットを借りる時は、必ず「マットお借りします」と声をかけましょう。
また、他の人が「マットお借りしますと」と声をかけてきた時は「どうぞー」と気持ちよく返事をしましょう。
外岩は、ジムよりも危険が伴いますので、マットが多い方が怪我のリスクも抑えられていいです。
他の人のマットに助けられて怪我をしなくて済んだということも必ずあると思いますので、お互いが気持ちよく使えるように、マットを使わせてもらう時は声をかけるようにしてください。
⑦土のついたシューズで登らない
土のついたシューズで登ってしまうと、岩についてしまい滑りやすくなってしまいます。
滑って危険ですし、ブラッシングをして土を落とさなければなりません。
他のクライマーにも迷惑がかかりますので、シューズに土がつかないように心がけましょう。
シューズに土がついてしまった場合は、タオルや足ふきマットで落としてください。
⑧シューズや靴下以外でマットにあがらない
自分のマットならいいですが、他の人のマットにはシューズや靴下以外であがらないようにしましょう。
スニーカーやサンダルで踏んでしまうと、土や泥がついて汚してしまう恐れがあります。
また、シューズを裸足で履いている人は、裸足のままマットにあがらずに、シューズを履いてからあがるようにしましょう。
汗をかいてべちゃべちゃになった足でマットを踏まれるのはいい気がしないので、シューズを履いてからマットにあがるようにしてください。
⑨ロジン(松ヤニ)入りのチョークは使わない
ロジン(松ヤニ)入りのチョークを使うと、ブラッシングをしても、水で流そうとしてもなかなか落ちません。
おそらくいくら頑張っても落とすのは困難でしょう。
掃除をするのが大変ですし、岩にチョークが染み込んで傷めてしまう恐れもあります。
また、自然の景観を守るという意味でも、チョーク跡を残すのは基本的にNGとなっていますので、使わないようにしてください。
⑩無茶な登りをしない
外岩は無茶な登り方をすると怪我のリスクが高いので絶対にしないようにしましょう。
一か八か、次のホールドまで飛び出すなんてのは危険です。
岩場によりますが怪我をしても救急車が近くまで来れない場合もあります。
自分が痛い思いをするだけではなく、周りにいる人にも大きな迷惑をかけてしまうので、できるかぎり安全に登るようにしましょう。
仮に、その岩場で死者が出たりすると、閉鎖(登攀禁止)の処置がされる場合だってあります。
十分に気をつけてください。
⑪スポットに入ろう
外岩でボルダリングをしている動画などを見ると、登っている人の後ろで、何人かが両手を挙げているのを見たことがあると思います。
これをスポットと言い、スポットをする人のことをスポッターと呼びます。
スポットは、登っている人が落ちてしまった時に安全にマットに着地できるように誘導する役目があります。
登っている岩の後ろに、大きな木や岩がある場合は特に気をつけないといけません。
他のグループや、ソロで来ているクライマーと一緒になった時にも、スポットに入るようにしてあげてください。
また、登っている人の動きに合わせて、マットの位置を動かすのも重要な役割です。
初めて外岩に行く人は、慣れている人にやり方を聞くようにしましょう。
⑫チッピングを絶対にしない
故意に岩を削って持ちやすくしたり、足の踏み場を作ったりすることをチッピングと言い、外岩では最も愚かな行為だとされています。
チッピングをすると、課題の難易度が変わってしまうことがあります。
自分が、その課題をずっと頑張っている時にチッピングをされたとしたらどう思いますか?
腹が立ちますよね。
また、岩を削る行為は自然破壊です。
クライマーが岩場でボルダリングができるのは、自然があってこそ。
自然の場にお邪魔させてもらって遊ばせてもらっているという感覚を忘れないようにしましょう。
もちろん、岩に対してだけでなく、木や花を傷めたり、川を汚す行為などもやめましょう。
⑬焚き火をしない
岩場は、山の中や森の中などに存在することが多いので、焚き火はしないようにしましょう。
火事になった時にあなただけで対処することが難しいですし、大問題にもなりかねません。
岩場から帰る時にチェック
岩場から帰る時にも気をつけたいことがあります。
岩や周辺を掃除してきれいな状態に戻すようにしましょう。
⑭岩を掃除してから帰る
岩でボルダリングをしたら、必ず掃除(ブラッシング)をして岩についているチョークをきれいに落とすようにしましょう。
有名な岩場だと、チョークがしみ込んでいてなかなか落とすことが難しいですが、「どうせ取れへんやろ」という気持ちで放置せずに、少しでもきれいになるようにブラッシングをしてください。
また、足の踏み場をわかりやすくするためにチョークでしるしをつけた場合は、忘れずにブラッシングをしましょう。
手で持つところは磨くけど、踏む場所を磨かない人も多いので、忘れずにチョーク跡を消すようにしてください。
課題がある岩をについたチョーク跡を消して帰る人は多いですが、岩の周辺にこぼれたチョークをそのまま放置する人は多いです。周辺の岩や木などに手をついて、チョークをつけてしまっている場合は、そちらも掃除をして帰りましょう。
⑮ゴミは全部持ち帰る
外岩に限ったことではないですが、ゴミは必ず全部持ち帰るようにしましょう。
岩場にゴミを置いて帰る人が増えると、間違いなく閉鎖(登攀禁止)になります。
外岩のルールを守らないとこうなる
外岩のルールやマナーを守らないとこうなります。
- 登攀禁止(エリア封鎖)になる
- 岩場でトラブルになる
- 怪我や事故につながる
どれも怖いですよね。
ルールを守れなかったりマナーが悪いと、地域住民の人や、クライマー同士でトラブルになりかねません。
最悪の場合、登攀禁止(エリア封鎖)になります。
また、無茶をすると怪我や事故にもつながりますので、十分に注意をしてボルダリングをするようにしましょう。
数年前、某岩場で数週に渡って救急車を呼ぶことになってしまい、エリアを一時閉鎖した方がいいのではないかという議論になったこともあります。
また、路駐がひどくてクレームが入り、登攀禁止(エリア封鎖)になった岩場もあります。
外岩でのボルダリングをこれからも楽しんでいくためにも、ルールとマナーは守っていきましょう。
外岩のルールを守ってみんなが楽しめる環境にしましょう
ここまで読んでいただけた方は、間違いなくボルダリングについて熱い思いを持つルールやマナーを守れる方だと思います。
僕も外岩シーズンは、休日になるとジムよりも岩場に行くことが多く、楽しく遊ばせてもらっています。
これからも、楽しく岩登りができるように環境維持をしていきましょう。
最後になりましたが、岩場でボルダリングをできるのは、先輩クライマーの方が開拓をして、地域住民の方から理解を得られるように何度も通って交渉をしてくれたという過去があります。
開拓の場に付き合わせていただいたこともありますが、僕たちが思った以上に大変です。
その努力があってこそ、僕らが楽しめているので、先輩クライマーの方への感謝とリスペクトも忘れないようにしましょう。
外岩デビューのみなさまと、どこかの岩場で会えることを楽しみにしています。